一般的な会社と従業員は「雇用契約」を結んでおり、従業員が残業をすれば、会社側は残業代を支払う。
ところが、レプロは、清水さんのようなタレントを「個人事業主」、いわゆる「小さい企業の社長」に見立てて、「専属契約」を結ぶ。レプロもタレントも互いに独立した対等な”事業主”という立場だ。
これによって何が可能になるかというと、タレントが自分で休みなどを決められる企業の社長と同じ立場とみなされるため、レプロは労働基準法に定められた最低賃金や残業代を支払わなくていいことになる。
実態は、会社の命令には従わなければいけない「雇用契約」にもかかわらず、「専属契約」という形をとることで、タレントをいわば奴隷のように扱えるわけだ。
これは芸能界の一般的な契約形態と言われている。
「芸能人は特別な契約を結んでいる」として、「とんでもない悪条件の下で働かされ、本人が嫌がっているのに苦痛な仕事を押し付けられる」「やめたくてもやめられない」といった状況に追い込む契約は、憲法第18条の、「奴隷的拘束・苦役からの自由」と、憲法22条の「職業選択の自由」にも反している。